北欧フェア終了

5月の最終週末は阪急百貨店の北欧フェアに出演させていただきました。

阪急百貨店うめだ本店が改装し、今のような素晴らしいイベント会場ができたのは、私がノルウェーに留学している間だったかと思います。日本に帰省した際にあの広場を見て圧倒されていっぱい写真を撮ったのを覚えていて、その会場で演奏させていただけたこと、本当に光栄です。お越しいただいたみなさまありがとうございました。土日ということで多くの方に聴いていただき、ありがとうございました。

コロナであまり活動ができなくなってから、コンサートを控えていたので演奏自体も久しぶりでした。今年はようやく活動が本当に再開できる流れとなっていてとても嬉しいです。

さて、このサイトにもCD注文ができるコーナーをやっと作成しました。ご希望の方はメールベースですがお知らせください。CD代金と送料(¥1500+クリックポスト¥180)でお送りさせていただきます。サイト上で試聴できるように工夫したいのですが、もう少しお時間いただくことになりそうです。

今年は神戸での活動がもう少しできるようになりたいと思っています。11月頃に、六甲アイランドの小磯記念美術館エントランスで少し演奏させていただきます。日程が決まり次第お知らせしますので、お近くの方はぜひお越しください。実は夏は、私の苦手な季節なのですが(そして楽器にとってもあまりよくない季節(泣))どこかでコンサートをしたいと思っています。

北欧フェア(阪急百貨店うめだ本店)出演情報

5月27日、28日の土日に大阪梅田阪急百貨店の北欧フェアで演奏します。

5月27日(土) 16:00/18:00

5月28日(日) 12:00/13:00

各30分の演奏です。スウェーデンの楽器、ニッケルハルパの本田倫子さんとの共演です。入場無料ですのでお気軽にお立ち寄り下さい!

https://website.hankyu-dept.co.jp/honten/h/nordic/event.html

Landskap av hardingfele ハーディングフェーレの風景

先日お知らせしました、CDの完成めどが立ち、3月15日頃に仕上がることとなりました。

全体は、20分程度の小さなアルバムですが、これまでよく弾いてきた曲、思い入れのある曲をまとめたものです。

  1. Luråsen
  2. Kvenneslåtten
  3. Slik spela Pål
  4. Jotunheim-springar
  5. -7. Systerslåttene 1, 2, 3

全てテレマルクの伝統曲です。(税込1500円で販売予定)

そして、それを記念して(というか、やっとコロナが終わりコンサートができるようになってきたことを記念して)ミニコンサートとワークショップを3月25日に、いつもお世話になっている天神橋筋のTimeblueさんで行います。

楽器を弾く方は是非楽器を持ってお越しください。お待ちしています!

アルバム制作中

久しぶりの投稿です。2023年になって早くも1ヶ月がすぎました。

コロナ禍の制限も終わりに近づいてきましたし、今年は音楽活動をもう少し活発にしたいなあと思っています。

まずは、ずっと止まっていたアルバムを仕上げようと思っています。2月終わり頃には完成の予定です。また、3月下旬にはこれまた止まっていたワークショップと共に、ミニコンサートをする予定をしています。

今年はできれば2-3ヶ月に1度くらいのペースではコンサートをしたいと思います。こちらはまた決まり次第順次お知らせします。

Folkelarmprisen 2022

今年もFolkelarmの季節になりました。ノルウェーの民俗音楽では、その年発表されたCD等の録音物の中でも際立っている作品について、FolkelarmprisenとSpellemannprisenという2回の受賞の機会があります。特にFolkelarmはより民俗音楽に特化したラインナップとなるため、実際にコミュニティにいる人により近しい感覚で選定がされていると(肌感覚で)言われています。

そのFolkelarmprisen に私が留学中一番お世話になったAnne Hyttaのアルバム”Hytterdal”がtradisjonelt samspill(伝統的な方法による合奏)部門で受賞しました!これは、数年前からAnneが取り組んでいたTelemarkのHeddalに伝わる曲の楽譜資料からあまり現在では知られていないバージョンを取り上げ、音の形に”戻した”(以前の記事「楽譜とFolkemusikk vol.1」)あと、現代の感覚でHardingfele3挺によるアレンジで仕上げたもので、瑞々しい表現に彩られた仕上がりとなっています。

Albumet er heilheitleg, gjennomarbeida og oser av stilsikkerheit, presisjon og kraft. Med stor leikenheit, oppfinnsamheit og tryggheit arrangeras slåttemusikken og pregas av kvar enkelt musikars unike uttrykk. Saman skaper dei eit unikt musikalsk rom, der dei med sine feler og stemmer grip tak i dei tradisjonelle hardingfeleslåttane, leiker seg med former, motiv og klanger på ein elegant og kreativ måte som imponerte juryen. Albumet løfter fram hardingfeleslåttanes ibuende kvaliteter og opnar opp det musikalske landskapet, stilsikkert og gripande! 

このアルバムは、全てにおいてよく作り込まれており、確かさ・正確さ・力強さに満ち溢れている。そして、それぞれのプレーヤーの個性を活かした遊び心と安定性に満ちたアレンジをhardingfeleの曲に施している。それによってユニークな音楽的空間を築き上げ、その空間の中で、ヴォーカルとhardingfeleによって伝統曲をよく捉え審査員達を唸らせるエレガントでクリエイティブな方法でフォルム(音楽的構造)、メロディモティーブ、音色を扱っている。このアルバムはhardingfeleの曲に内包されているクリエイティブな側面を高く掲げており、このジャンルの音楽的地平を開拓し、確固たるスタイルを強く印象付けている。

私がお世話になった方の活躍は、とても誇らしく、嬉しいニュースです!Gratulerer så mye !!!

https://www.folkelarm.no/folkelarmprisen-2022-vinnarane.6571022-569609.html

http://www.annehytta.com/hitterdal.html

ノルウェーのフィドル

2022年も年末が近づいて来ましたね。

1昨年よりノルウェーのFolk Musicianが始めたオンライン講座Folk Music Academyには度々この音楽ジャンルのヒーロー達が登場し、「わー、ノルウェーに行かなくてもこの人が聞けるんだー」と大興奮してきた私。

今回は、出ました。オーノン・エーゲラン。超重鎮、超大御所であり独特のクールでありながら暖かくも美しい音楽を奏でるアーチストです。

ハーディングフェーレの音楽は何か美しい(だけの)イメージが強く付き纏いガチですが、私が初めてノルウェーで長期滞在した西テレマルクには、ダークでクールな表現も多く、今回紹介されているアグデル県の音楽表現とも似たところがあり、その中でも際立っていたオーノン・エーゲランの音楽には非常に影響を受けました。

ここで弾かれているImeland og Grimelandはオーノン・エーゲランがよく学生達に教えている曲です。フィドルを弾いている人は是非トライしてください!

そしてもう1つ。

こちらは、ヨハンネ・ミョースのハーディングフェーレビギナーズコースです。彼女とは、ベルゲン在住時同じグループで弾いていましたが、いつもとっても楽しく暖かく、澄んだ音が印象的なプレーヤーでした。

この動画でも”It is mostly fun! hahahaha!”と言っていますが、このまんまの楽しいプレーヤーです。ビギナーの方もある程度弾ける人も是非彼女の音楽を楽しんでください。

私はノルウェーの音楽を始めたことは何か「共通した一つの雰囲気」を探してしまっていましたが、いろんな地域の音楽や色んなタイプのプレーヤーに出会い、そうではないことがよくわかりました。ノルウェーの音楽とは多様性に富んだ音楽文化であり、そういった多様性を持ち続けることが良いと考えられています。

ノルウェーに行きたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!

New Year 2022

明けましておめでとうございます。

実は11月より、大阪の自宅を改築するとのことで神戸に一時引っ越しております。学生時代には神戸と大阪を往復していましたが、住んでみないとわからないもんだなぁと、しみじみ思います。あまり街には出没しませんが神戸の魅力を満喫中です。

今日は久々にアップルパイを作りました。前回アップルパイの投稿をしたのはVossにいた時でしたが、今回は日本のリンゴです。日本のリンゴは甘みが強くあまり得意ではありませんが、なかなかうまくいきました。ノルウェーの学生時代のカナダ人の友人がノルウェーの国民権を得たとの知らせを聞き、ノルウェーを懐かしんだ1日でした。

年末は有馬温泉に日帰りで出かけました。大阪からでも近い温泉地ですが、現在の住まいからだと1時間以内で行けてしまいます。風情のある街並みと温泉(写真は金泉ですが、私が浸かったのは銀泉の方です)を楽しみました。

コロナ禍で、ライブも含めしばらく音楽活動があまりできていませんが、そろそろずっと以前に始めたソロアルバムを仕上げようと思っています。日本に戻ってからはあまりテレマルクの曲を弾いていませんでしたがこれを機に暫くまたテレマルクの曲を開拓したいとも思っています。

本年もよろしくお願い致します。

11月28日(日)コンサート詳細

アフタヌーン・コンサート -The Sound of Nordic Resonance-
日時: 11月28日(日)13:30開場 14:00開演 (休憩あり 15:15頃終演予定)
出演: 本田倫子 Nychelharpa / 樫原聡子 Hardingfele
会場: Studio Time Blue 新館2階
入場料: ¥2,000

現時点では感染症対策を実施した上で対面のコンサートを予定しています。今後の感染状況によっては開催1週間前に中止を判断し、オンラインコンサートとして開催する予定です。

ご予約お待ちしています。

ご予約はcontact@satokok.comまでメールでご連絡下さい。


11月28日(日) アフタヌーンコンサート

今年も早いものであと3ヶ月となりました。あまりコンサートのできない状況が続いていますが、11月28日に久しぶりのコンサートを予定しています。詳細は追って発表しますので今日は日にちのお知らせのみ。

Rammeslått

2021年もゴールデンウィークが緊急事態宣言中という状況の中、私はいつものように楽器を弾いて出かけないゴールデンウィークを過ごしました(笑)。楽器を弾いている人は案外この感じがわかる方もいるのかもしれませんが、弾き始めたらあっという間に1日が過ぎてしまいます。

さて、そんなゴールデンウィーク中に取り組んだ曲が、Goorrlausゴッラウスというチューニングの曲。メロディー弦3弦の調弦はレギュラーチューニングと同じですが、バス弦のみfまで下げて調弦します。曲数は多くなく、主にSetesdal地方のレパートリーに残っています。その響きは暗さと明るさの両面を持ち合わせた、ミステリアスなものです。因みにGorrlausとは「非常に(バス弦の調弦が)緩い」という意味だそうです。

Telemarkテレマルク地方にも同じようにミステリアスな響きを持つ調弦法があります。恐らくSetesdalのGorrlausとも何らかの繋がりがあるのでしょう。高音域を弾いている時は明るく、低音域を弾いていると非常に暗く、メロディーがその間を行き来するところは夢と現実を彷徨っているかのような感覚に陥ります。恐らくこれらの調弦法はとても古いものだとも聞いたことがあります。昔の人たちがどんな風に音楽を楽しんでいたのかは想像の域を出ませんが、ノルウェーのフォークにはRammeslått ランメスロットという言葉がありトランス状態に陥(る)らせる曲という意味を持っています。(あるいは、奏者が尋常ならないほど音楽に没頭している状態を表します)ハーディングフェーレの古い曲はダンスチューンで、夜通し弾かれていたわけですから、そういう場では、現実と非現実を彷徨うという感覚も、古い時代から持ち合わせていたということです。そして、このGorrlausというチューニングはRammeslåttという言葉と深く結びついている場合が多いのです。

”Gorrlaus Gangar”